
人材育成グループ
グループディレクター
岩田 博夫 Iwata Hiroo
新しいヘルスケアビジネスの創出。
その原動力となれる、起業家や専門家を育んでいます。
「先端研究」、また分野を超えた「融合研究」によって生み出された技術のシーズを「事業化」へつなげて、新しいヘルスケアビジネスの創出へと結びつけるためには、研究者だけでなく、起業や新規事業の立ち上げを進める人材が求められます。「人材育成グループ」では、これからのヘルスケアビジネス創出の原動力となる人材の育成を目指して、理化学研究所と神戸大学、兵庫県立大学が連携し、さまざまな活動を展開しています。
新しい人材を育むための取り組みとして、2017年現在、大きく3つのカリキュラムが動いています。ひとつは、神戸大学を中心にした「アントレプレナー人材育成」。アントレプレナー(起業家)、または、自社内で新しいビジネスを創出する人材の育成を目指すカリキュラムです。2つ目は、兵庫県立大学を中心にした、「シミュレーション系人材育成」。情報、シミュレーション、IoTなどの専門的人材を育成するためのカリキュラムとして、医療・ヘルスケアと情報計算科学の関わりを学べるセミナーを展開しています。3つ目は、理化学研究所の各研究チームによる「健康科学分野融合・横断人材育成」です。参加者がそれぞれの組織でプロジェクトをリードしていけるように、ある研究分野について集中的に学べる講座・実習を手がけています。
各分野の第一人者によるセミナーには、さまざまな企業や業種に属する人たちが集まり、活気ある交流が自然と生まれています。参加者の皆さんが、分野を超えて刺激を与え合ったり、情報を交換し合ったりして、お互いを高め合うきっかけになればと考えています。また、教育において大切なことは、長く続けていくことです。人材が育ち、活躍する先達たちが世に出ることで、その姿に憧れや価値を見出した人たちが、後に続いていくのです。こうした持続可能な人材育成の仕組みをしっかりとつくっていくことが、私たちの取り組むべき課題だと考えています。
アントレプレナー人材育成(神戸大学)
神戸大学では、2016年に新しい文理融合型大学院として「科学技術イノベーション研究科」を設立。この研究科の目的が、リサーチコンプレックスが目指す「イノベーション創出とそのための人材育成」と符合することから、同大学院の教授陣を中心に「起業家・社内起業家を育成する」セミナーがスタートしました。第2期となる2017年度のカリキュラムでは、既に何らかの事業計画を持った方を参加者として選抜。「持続可能なビジネスモデル」「アイデア思考のビジネスプランニング」「ベンチャー企業の事業戦略」にはじまり、ファイナンスや知的財産の講義まで、これからの起業家に求められる素養を複合的に身につけられる希少なセミナーとなっています。さらに、大阪市が運営する「大阪イノベーションハブ(グランフロント大阪)」と連携して、参加者一人ひとりに対してメンターが指導にあたり、事業計画をより確度の高いものにブラッシュアップしていける支援体制を整えています。

技術への理解と、それを事業に発展させる力。“文理融合”でイノベーションを生み出し、かつ、資金計画・調達の知識も持ったうえで事業を現実のものとするために、座学を超えたセミナーが展開されています。
シミュレーション系人材育成(兵庫県立大学)

健康科学分野融合・横断人材育成
※Micro Electro Mechanical Systems技術
